サボンナクチョって何?サラボンに登れば分かります
ひとつの夕日でその名を得たオルム
済州旅行の話をしていると、城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)や牛島(ウド)の日の出はよく話題に上りますが、済州市の市内から近い夕日スポットは、それに比べると意外と知られていないようです。その中でもサラボンは、済州市の旧市街であるコニプドン(建入洞)のすぐそばに位置していて、わざわざ遠出しなくてもオルムをひとつ登れる場所として伝えられています。観光バスに乗って遠くまで移動しなくても、済州市内からちょっと時間を作れば行って来られるという手軽さから、むしろ済州市民にとって身近で親しみのあるオルムとして知られているそうです。今日はこのサラボンがどんな場所なのか、そしてなぜ人々がここの夕日を特別に語るのか、その話をじっくりお伝えしようと思います。
サラボン、済州市の旧市街のすぐそばに立つ低いオルム
サラボンは済州市コニプドンにあるオルムで、済州港や東門市場からもそう遠くない距離にあると伝えられています。他のオルムの多くが市外れや村から離れた野原にあるのに対し、サラボンは市街地とすぐ隣り合っている点が最大の特徴とされています。そのため観光地というより地元の裏山のように感じられるという声も多く聞かれ、実際に頂上までの道もそれほど険しくない緩やかなコースとして整備されていると言われています。入口から頂上までゆっくり歩いてもそれほど時間がかからないと伝えられているので、その気になれば朝の散歩がてら気軽に訪れられるオルムであることも、サラボンの魅力のひとつのようです。
頂上に登ると済州市の市街地と済州港、そして遠くの海まで一望できると伝えられています。街の建物や港を行き来する船、その向こうに広がる海までがひとつの景色に収まるため、他のオルムでは見ることが難しい「街と海が一緒にある眺め」に出会える場所として語られることが多いようです。特に日が傾き始める時間になると、この景色がまったく違う表情に変わると伝えられていて、その瞬間を見るためにわざわざ夕方遅くにサラボンを訪れる方も少なくないそうです。

サボンナクチョ、夕日だけで得た名前
サラボンの夕日は昔から「サボンナクチョ」という独自の名前で呼ばれてきたと伝えられています。サラボンの「サ」の字と、夕焼けを意味する「ナクチョ(落照)」を合わせた名前だそうで、古い済州を代表する美しい景色を集めたヨンジュ十景(済州の十の絶景)のひとつにサボンナクチョが数えられてきたという話も一緒に伝えられています。つまりサラボンから眺める夕日は、単に「今日の空がきれいだ」という程度のものではなく、昔から人々の口から口へと伝えられるほど印象的な景色として位置づけられてきたということのようです。ひとつの名前にこれほど長い時間の物語が込められているということが、私はとても特別に感じられました。
サボンナクチョが特に美しいと言われる理由のひとつは、太陽が沈む方向が海側だからだそうです。水平線の向こうに太陽が沈みながら空と海が一緒に赤く染まる場面を、市街地からそう遠くないオルムの頂上で気軽に眺められるというのが、サラボンならではの魅力とされています。さらに済州市内の明かりがひとつふたつと灯り始める時間帯と夕焼けが重なることで、空の赤い光と街の黄色い明かりが一緒に見える瞬間もあると伝えられています。そのわずかな時間を写真に収めようと、あらかじめ三脚を広げて待っている方の姿もよく見かけると言われています。
太陽が沈む瞬間の色はどこでも似ているかもしれませんが、その下に街と海が一緒に広がる景色は、サラボンでなければなかなか見られない気がします。
— 🍊 キュルリ私はこのサボンナクチョの話を聞きながら、遠い昔の済州の人々も今の私たちと似たような場所に立ち、同じ夕日を眺めていたのではないかと考えました。今でこそスマートフォンのカメラを手に写真を残しますが、当時はただ両目に収めて心に刻んでいたのでしょう。時代が変わっても、夕日の前で足を止めてしまう気持ちだけはそう大きく変わらなかったのではないかという思いに、サラボンに登る足取りが少し特別に感じられました。

散歩コースとしても愛される理由
サラボンが愛される理由は夕日だけではないそうです。頂上まで続く緩やかな道は散歩コースとしてもよく知られていて、観光客よりもむしろ近隣の住民の方がよく訪れる場所だという声も多く聞かれます。早朝に軽く体をほぐそうと登る方もいれば、一日の仕事を終えた夕方に風に当たろうと立ち寄る方もいると伝えられていて、季節や時間に関係なくいつも誰かがこの道を歩いているオルムだという話が印象的でした。市街地のど真ん中でこれほど近くに自然の中の散歩道に出会えるということは、済州市に暮らす方々にとってはかなり大切な日常の空間なのではないかと思います。
頂上付近にはサラデという名前の東屋があると伝えられていて、ここに少し座って汗を冷ましながら景色を眺めるのも、サラボン散歩のもうひとつの楽しみとしてよく語られます。無理に頂上まで登らず、中腹だけ歩いて下りてくるのも悪くないそうなので、無理に完走しようとするより、その日その日のコンディションに合わせて気軽に歩いてみるのもよさそうです。観光名所としてのサラボンもいいですが、私はこうして長い間地元の方々の足を受け入れてきた散歩道だという話のほうが、より心に残りました。






GYULIのヒント · サボンナクチョをしっかり見るには、日が沈む時間に合わせて前もって頂上に登り、場所を確保しておくとよいと言われています。日没の時刻は季節によって異なるので、訪問前にあらかじめ確認しておくことをおすすめします。